【60秒物語】布団の下の地震速報
またはじまった。じーっと、じーっと、ぼくだけにきこえる音。
おとうさんにはきこえない。おかあさんにもきこえない。
もしかしたら、おとうとにはきこえているかもしれない。それだとちょっと安心。
でも、まいにちきこえているのはぼくだけだろう。だって、そんなきがするんだ物。
いつも、きづいたらなっている。したのほうでなっている。いちど、みみをすませてみる。
ぶー。ぶー。なにか、ぶざーのようなおと。ぴー。ぴー。なにか、きかいのようなおと。・ー。・ー。・・・。
聞こえない。きこえなくなった。ふあんだ。ふあんです。
わすれちゃった。わすれました。なにをわすれた。なにがわすれた。
先生、ぼくはどうすればいいでしょうか。
こうして僕はまた、あおむけにねます。