1ルーム

色々な1ルームを作って、シリーズ投稿しています。

2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

No.5 放課後の座席表

誰もが白い息を吐いていたあの時期。夕日が落ち始め、学校から出る生徒の影が、長く伸びていく。その影の先にある、2階の教室。校舎が直角に曲がった角にある教室。窓からみえる机とイスは、黒板に向かって整列している。いたって平凡な並び。前に沿うように…

No.4 放課後の座席表

誰もが白い息を吐いていたあの時期。夕日が落ち始め、学校から出る生徒の影が、長く伸びていく。その影の先にある、2階の教室。校舎が直角に曲がった角にある教室。窓からみえる机とイスは、黒板に向かって整列している。いたって平凡な並び。前に沿うように…

No.3 放課後の座席表

誰もが白い息を吐いていたあの時期。夕日が落ち始め、学校から出る生徒の影が、長く伸びていく。その影の先にある、2階の教室。校舎が直角に曲がった角にある教室。窓からみえる机とイスは、黒板に向かって整列している。いたって平凡な並び。前に沿うように…

No.2 放課後の座席表

誰もが白い息を吐いていたあの時期。夕日が落ち始め、学校から出る生徒の影が、長く伸びていく。その影の先にある、2階の教室。校舎が直角に曲がった角にある教室。窓からみえる机とイスは、黒板に向かって整列している。いたって平凡な並び。前に沿うように…

No.1 放課後の座席表

誰もが白い息を吐いていたあの時期。夕日が落ち始め、学校から出る生徒の影が、長く伸びていく。その影の先にある、2階の教室。校舎が直角に曲がった角にある教室。窓からみえる机とイスは、黒板に向かって整列している。いたって平凡な並び。前に沿うように…

No.7 つついた世界を散歩して

真っ暗な宇宙に、まあるい地球がぽちょんとしてる。つつかれてできた、指先の滴。赤血球のような始まりから、砂だらけの荒地を経て、今では雲がぷかぷか浮かんでる。けれど、雲が出てきてからというもの、宇宙からでは何が起きているかわからなくなってきた…

No.6 つついた世界を散歩して

自分はこの世界を指で作った。だから全て知ったつもりだった。しかし実際に散歩をしていると、それまで全く気づかなかったところに行ったりする。迷い込んでしまうかもしれない、危険なところである。この時、誘われないようにする一瞬の判断が肝心である。…

No.5 つついた世界を散歩して

それまで何もなかった宇宙に、つついて生まれた世界。その世界は、不思議だらけで、みるべきもので溢れていた。 一つをみれば、視界の端で何かが過ぎていったように、目を奪っていく。 その後は、慎重に追っていく。大胆に追うのではなく、あくまでゆっくり…

No.4 つついた世界を散歩して

上からこの世界を眺めているだけでは、やがてつまらなくなり、この世界を消してしまうかもしれなかった。世界を歩き始めた後でそう思う。 歩いてみなくてはわからない。 歩くと景色が変わる。止まっていると、景色は変わらない。そして、観察することはその…

No.3 つついた世界を散歩して

人間になってみないと、わからないことはある。ぷかっと浮かんだ世界を上から眺めていただけでは知る由もなかったことだろう。いつまでも自分気取りではいけない。いつでも相手と同じ視点に立って、相手がどう動くかをみなくてはいけない。それがわかるまで…

No.2 つついた世界を散歩して

ほんの気まぐれでつくった世界で、人間として観察することになったのだが、それなりの代償があった。 情報の取り入れ方がやっかいなのである。五感という感覚器官を通さないと集められない。 例えば目。これは前しかみえず、後ろをみることができない。 後ろ…

No.1 つついた世界を散歩して

最初は、ほんの気まぐれで作った世界だった。 その当時の宇宙には何もなく、みるにつまらなくなったことがきっかけだった。 テキトーに、人差し指でチョンっとつつく。すると、凹みが生まれ、円となって、世界がプカっと浮かんだ。面白くなければ、またつつ…

No.4 ゴミにさようなら

ゴミ屋敷の隅っこに、それはあった。自分の部屋であるというのに、すっかり知らない。 側にあるのにもかかわらず、遠く冷めているところに置いてかれている。 ゴミ袋であることに違いなく、ただ、容量の限界に対して平気と言わんような膨れ具合だった。 緊張…

No.3 ゴミにさようなら

トンネルは暗くて怖いが、自分の部屋なら暗くても怖くない。 たとえ、ゴミ袋が頭の上でアーチを作り、ある種のトンネルにいるとしても。 目の前には、ゴミ袋から出てきたソーセージによる嘔吐で、内臓までもが転がり落ちている。 内臓をみる機会がないものだ…

No.2 ゴミにさようなら

前足二本の少し先には、ゴミ袋が分岐道を作っている。 光が袋の壁を当て、波々とうねらせている。 足は待ちきれず、指だけが前に動き始める。 足裏は仕方なくついていくというように土踏まずを凹ませる。 引き返すことだけは許されないという具合に、膝小僧…

No.1 ゴミにさようなら

身体の左右は、ゴミ袋に挟まれている。 軽く腕を動かすだけで、ガサガサっと音がする。 袋のプラスチックの匂いが鼻をかすめる。 より意識をすれば、別の臭いがしてくる。 生ゴミだ。この部屋の隅で、見えない煙のようにもくもくと、さりげなく佇んでいる。 …

No.6 ネコの行方

ネコが目の前を歩いている。今日は休日。僕は、ついていくことにした。 ネコの歩く姿をみていると、改めて、軽さのあるようでない歩き方だ。コンクリートの道を、滑っているように歩く。 ネコがどこに歩いているのか検討もつかない。しかし確かに、何かに気…

No.5 ネコが歩くところ

自分には、ネコになりたいという欲望がある。 でも、今の自分はネコではない、未熟者である。 ただ、ネコでない状態のまま、こうして生きてはいける。 ネコの気持ちをもたないことが、悪いかのように聞こえてくるのはなぜか。 ネコはマイペースで、冷たいよ…

No.4 ネコの日

寝過ぎても 世の人は、寝れば寝るほど体力が回復すると感じているかもしれない。 実際に寝過ぎれば、体力はむしろ奪い取られている。 そんなことがないという方は、とことん寝たことがあるのだろうか。 寝る暇がないのかもしれない。 いや、実際に寝れる時間…

No.3 ネコに足をつけてみる

ネコには足がない ネコには4本の足が生えているようにみえるが、僕には手にみえる。4本の手。そんな四足歩行ならぬ四手歩行に憧れるのは僕だけだろうか。 二足歩行になった人間は、四足歩行の猿から進化してきたのだが、なんたって世間は歩きづらい。 でも機…

No.2 ネコの視界

僕がみた夢 目覚めたと思ったら、目覚めていなかった。瞼を閉じたまま、僕は目を開けているような感覚だった。 視界にあるのは、ゴツゴツしたコンクリートであり、ところどころ裂けている。 歩く方向もないまま、ただ歩いていると、何かを吹き出している穴が…