1ルーム

色々な1ルームを作って、シリーズ投稿しています。

つついた世界を散歩して

No.7 つついた世界を散歩して

真っ暗な宇宙に、まあるい地球がぽちょんとしてる。つつかれてできた、指先の滴。赤血球のような始まりから、砂だらけの荒地を経て、今では雲がぷかぷか浮かんでる。けれど、雲が出てきてからというもの、宇宙からでは何が起きているかわからなくなってきた…

No.6 つついた世界を散歩して

自分はこの世界を指で作った。だから全て知ったつもりだった。しかし実際に散歩をしていると、それまで全く気づかなかったところに行ったりする。迷い込んでしまうかもしれない、危険なところである。この時、誘われないようにする一瞬の判断が肝心である。…

No.5 つついた世界を散歩して

それまで何もなかった宇宙に、つついて生まれた世界。その世界は、不思議だらけで、みるべきもので溢れていた。 一つをみれば、視界の端で何かが過ぎていったように、目を奪っていく。 その後は、慎重に追っていく。大胆に追うのではなく、あくまでゆっくり…

No.4 つついた世界を散歩して

上からこの世界を眺めているだけでは、やがてつまらなくなり、この世界を消してしまうかもしれなかった。世界を歩き始めた後でそう思う。 歩いてみなくてはわからない。 歩くと景色が変わる。止まっていると、景色は変わらない。そして、観察することはその…

No.3 つついた世界を散歩して

人間になってみないと、わからないことはある。ぷかっと浮かんだ世界を上から眺めていただけでは知る由もなかったことだろう。いつまでも自分気取りではいけない。いつでも相手と同じ視点に立って、相手がどう動くかをみなくてはいけない。それがわかるまで…

No.2 つついた世界を散歩して

ほんの気まぐれでつくった世界で、人間として観察することになったのだが、それなりの代償があった。 情報の取り入れ方がやっかいなのである。五感という感覚器官を通さないと集められない。 例えば目。これは前しかみえず、後ろをみることができない。 後ろ…

No.1 つついた世界を散歩して

最初は、ほんの気まぐれで作った世界だった。 その当時の宇宙には何もなく、みるにつまらなくなったことがきっかけだった。 テキトーに、人差し指でチョンっとつつく。すると、凹みが生まれ、円となって、世界がプカっと浮かんだ。面白くなければ、またつつ…