【短話】ドライアイスの暖炉
寒かった。さむかった。
僕は暖かい家庭にうまれてきました。
けれど、その暖炉は、ドライアイスのように冷たかったのです。
手を当てれば、さいしょはあたたかい。
でもだんだんと、そう思っているじぶんが変であると、ちょっと気づいていきます。
そしたらもう手遅れです。
もう、おてては真っ赤っか。
熱い。あつい。
とにかく、冷たいものでひやしたい。
そしたらそこにちょうど、ドライアイスがありました。
ラッキーと思ったぼくは、また、あの気持ちのよい冷たさを味わいます。
あ~っと、目を閉じながら、その冷たさに集中する。
そしたらまた、またです。あの熱さがやってきました。
たまったものではありません。
しかも今度は、そのただれた皮膚に、そのまま、あの、アイスがくっついてしまって!