【短話】ふかい体験
とどのつまり、それって深いってことよ。
え?不快?
そうそう。だって、つい気になるでしょ。
まあ、気になるから不快なのかも。
横断歩道を渡っていく。
向かいにからは誰も来ない。
いやぁ。最近深い体験してないよ。
えー、まあしなくていいじゃない?
え、したくない?物足りないじゃん。
んー、したいかぁー。軽い刺激みたいな?
角を曲がる。
細い道を挟んで高くなる道路。
だってさ、慣れてきたなぁーって。
ん?
朝起きて、会社行って、夜寝てってさ。
うん。
道路の下を通る。
突き当たり斜め左に行けば商店街。
つまんないのよねー。
んー、そんな言うんだったら、今体験しちゃえば?
え?そんな簡単にできるの?
うん。
商店街入り口前。
遠近法みたくシャッター街。
え、どうするの?
立ち止まり、いっぱいに叫んだ。
通りの先まで飛んでいく。
ね?不快になった?
シャッターが、一斉に開いた。