【短話】オススメのホットドック
大通りの途中、左手に、狭い路地がある。
その路地の入り口にはゴミ袋が置いてあって、そこから誰も入りたがらないのだけれど、その道の奥、換気扇の様々な匂いが混じった通路を抜けると、四方が建物に囲まれた小さな広場がある。
そこに、薄々と煙を出して営むお店、あれがウサワのホットっドク屋だ。
なんとも、オススメを頼むといいらしい。
流されやすい性質なので、迷いなくオススメを頼んだ。
周りを見渡すと、自分以外に客はいなかったようで、そこのベンチに座ろうとまあそんなことを考えていた。
「はい、オススメです。」
顔の見えない狭い受付口から出てきたのは、ゲーム機が挟まれたホットドックだった。
それも、自分が小さい頃に無くしたゲーム機だった。
これゃまあと思い、そのままケチャップをつけずに頬張る。
味は思ったよりよく、噛み砕けないもの以外は全部腹に入っていった。