【短話】表情うそつき
「おはよう。」
「ん、おはよう。」
「きょうも元気?」
「うん、まあ見てのとおりさ。」
「うん。」
「きみは…元気がないね。」
「うん。」
「どうしたんだろう。」
「うん。」
「なにかいやなことあった?」
「ううん。」
「でも、つらい顔をしてる。」
「そうかな。」
「うん、ぼくにはそうみえる。」
「そっか。」
「うん。」
「まあまた来るから。それまで元気で。」
「ああ、もちろん。お互いにね。」
帰り、水溜まりの僕の顔は普通でした。
だから、ウソを付かれたと思いました。