1ルーム

色々な1ルームを作って、シリーズ投稿しています。

【短話】夢見の自動販売機

家の近くに、自動販売機があります。


ジュースではありません。
小さい小包のようなものです。


一体何かというと、枕元に置く。
それで寝れば、その夢がみられる。


いわば、夢見の自動販売機なのです。

値段は、ジュースと一緒で百円台。


何が並んでいるかというと、色々。


好きな人が出てくる夢。
亡くなった人が出てくる夢。
食べたいものが食べられる夢。
したいことができる夢。


こんなふうに、どれも魅力的です。


でも、気持ちが乗りません。せっかくお駄賃もらったのに。


すると、端っこにもう一つあります。


夢を見る夢。


はて、これは夢の中で夢を見るということなのかしら。

 


僕はそれ以来、目覚めなくなりました。