【短話】座り続けるおじさん
ぼくのおうちには、おじさんがいました。
でもちょっと変わっています。
ずっと、おぶつだんの前ですわっているのです。ずっと、ずっと。
ごはんのときは、動きます。のそっと、のそっと。
でも食べおわったら、またもとにもどっちゃうのです。
なにかおいのりしているのかなと思いました。でも、おててを合わせてません。
いったいなにをしているのか。ぼくはとっても気になりました。
「ねぇ、おじさん。」
「…」
「ねぇ、ねぇってば。」
「…」
「ねぇ、返事してよ。」
「…」
「あ、食後のケーキあるよ。」
「よし、食べよう。」