1ルーム

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【短話】太陽を操る男

          

眠たい。いや、寝ている。


そうやって今、意識を下ろした。朝のシャッターが開き始めたのに、途中で眩しすぎる光が差し込んできたとみえ、急いでスイッチを反対方向に戻す。シャッターは機械であるから、無事に下がってくれる。その切り替えのタイミングが、誰に言うにも言えぬ小気味悪さを感じさせる。


もう朝なのだろうか。暗く閉じたカーテンからは、光の気配はない。そういうのは、目が閉じられていてもわかるのである。光が入れば、瞼の筋肉がピクピクと微振動するからである。ああ、想像しただけで朝がやってきそうだ。朝が現実になりそうだ。


俺は、太陽を操れるのかもしれない。今は夜だが、思えば、朝にもできるだろう。それには、意識の混濁を通過しなければならないが…。


ハッと、目が醒める。自分の意志が、朝か夜かを決める。時計は十二時を指していた。